ウイスキーのテイスティングノートの書き方|初心者向け記録テンプレート

テイスティングノート。香りと味の記録術のイメージ画像 Guide
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ウイスキーを飲んだときは「おいしかった」と覚えていても、一週間後にはどんな香りだったか思い出せない。そんなときに役立つのがテイスティングノートです。専門家のような華やかな表現を書く必要はありません。次にボトルを選ぶ自分が理解できる言葉を残すことが、いちばんの目的です。

この記事では、香りの名前をたくさん覚える前に使える、短い記録の型を紹介します。一回の記録は数行でも十分です。自宅での少量の試飲、バーで気になった一杯、過去に飲んだボトルの整理など、続けやすい場面から取り入れてください。

最初は「香り・味わい・余韻・飲み方」の四項目

メーカーの公式テイスティングコメントには、香り、口に含んだ印象、余韻を分けて書く形式がよく見られます。例えばグレンフィディックの公式資料も、ノーズ、テイスト、フィニッシュという順に説明しています。初心者はここに「どのように飲んだか」を加えると、後で比較しやすくなります。

香りは鼻で感じた印象、味わいは口に含んだときの甘さや苦さ、香りの広がり、口当たりなど、余韻は口の中に残る印象です。厳密な研究用語で分類する必要はありませんが、最初に感じた香りと後に残った香りを分けるだけでも、一杯の流れを思い出せます。

項目最初に書くこと言葉が出ないとき
香り果実、穀物、木、煙などの大きな印象甘い感じ、爽やか、強く感じない
味わい甘さ、苦さ、刺激、口当たり軽い、厚い、さらりとしている
余韻後に残る印象と長短すぐ消える、木の感じが残る
飲み方ストレート、加水、氷の有無加えた水の量が不明ならそのまま記載

「分からない」は空欄と違い、有用な記録です。果物らしく感じるけれど種類が浮かばないなら「果実、種類は不明」と書きます。無理に洋梨や桃を選ぶより、後で別の印象を追記できる余地が残ります。

コピーして使える基本テンプレート

スマートフォンのメモでも紙のノートでも、毎回の見出しをそろえると探しやすくなります。下の表の項目をコピーし、分かる範囲だけ埋めてください。最初から瓶の詳細をすべて調べるより、正式な商品名と飲み方を優先すると負担が少なく済みます。

記録欄記入内容
日付・場所いつ、どこで試したか
商品名蒸溜所名だけでなく年数やシリーズ名も
度数・仕様ラベルで確認できた内容。分からなければ不明
飲み方・グラス水や氷、グラスの形、分かる範囲の量
香り大きな分類一つと、連想した言葉一つ
味わい甘さや苦さ、口当たり、刺激の印象
余韻最後に残る印象、短いか長いか
変化少し待った後や加水後に気づいたこと
好み好きな点、気になった点を一つずつ
次回再確認したいこと、合いそうな飲み方

瓶やラベルの写真を残す場合は、ノートの日付と結びつけます。同じ銘柄でも年数、度数、樽の仕様が違う製品があるため、正面だけで区別できなければ裏側の表示も確認します。バーやイベントでは、写真を撮ってよいかスタッフに確かめましょう。

架空の記入例で書き方をつかむ

次は書き方を示すための架空例です。実在する製品のレビューや実飲記録ではありません。「銘柄A、少量を常温で、途中から少し加水。香りは果実系で、リンゴの皮を連想。味わいは初めに甘い感じ、その後に軽い苦さ。余韻には木のような印象。加水後は刺激が穏やかに感じられた。次は加水前後の香りをもう一度確かめたい」と書きます。

この程度の文章でも、最初の状態、変化、次の行動が残ります。「複雑で上質」とだけ書くより、どこを気に入ったかが具体的です。逆に「リンゴの皮」という言葉がしっくりこなければ、「爽やかな果実」に戻して構いません。細かい表現を使うことと、正確に記録することは同じではありません。

味わいを一文にまとめるなら、「最初は〇〇、その後は△△、最後に□□」という順序が使えます。複数の香りを見つけられなかった場合は、「最初から最後まで穀物のような印象」と書けます。変化の多さを競う必要はなく、自分の感じ方を過不足なく残すことが大切です。

香りの言葉は大きな分類から細かくする

最初の一語は、果実、花、穀物、甘い菓子、木、香辛料、煙といった身近な分類から選びます。その後で、果実なら生の果物か乾燥果実か、穀物ならパンか麦茶に近いか、と少しずつ絞ります。思い浮かばないときは分類だけで止めてください。

例えば「甘い香り」と「甘い味」は、別の欄に書くと役立ちます。鼻ではバニラ菓子を連想しても、口に含むと苦さや乾いた印象を感じるかもしれません。香りから予想したことと口で感じたことが違っても、矛盾として消す必要はありません。その違いこそ、一杯を覚える手掛かりになります。

ザ・グレンリベットの公式テイスティングガイドも、まず果実や香辛料などの大きな香味群に目を向ける方法を示しています。ただし、他人の表現と一致させるために何度も飲み足す必要はありません。言葉が出なくなったら、そこで記録を終えれば十分です。

公式コメントは自分のメモの後で読む

先に「オレンジ」と読めば、その香りを探したくなるものです。自分の印象を残したい日は、最初の数行を書いてから公式コメントを読みます。一方、初心者で手掛かりが欲しい日は、先に読んで観察しても構いません。どちらの場合も「参考にした公式表現」と「自分が感じたこと」を別欄にすると混ざりません。

公式に洋梨と書かれていて自分はリンゴを連想したとしても、誤答と決める必要はありません。両方が果実系という共通点を持つ、と整理できます。メーカーの説明は製品を理解するための案内であり、個人の感覚を一語ずつ採点する試験問題ではありません。

ウェブやSNSに公開する場合は、「公式では〇〇と表現」「私は△△を連想」と主語を明確にします。飲んでいない製品について公式情報を整理しただけなら、そのことを記します。自分の体験、引用した説明、推測を分ける習慣は、後からノートの信頼性を保つ助けになります。

比較しやすくするために条件を残す

同じウイスキーでも、グラス、加水、氷、直前の食事などが違えば、感じ方を比べにくくなります。細かい測定を始める必要はありませんが、「食後」「ハイボール」「氷がかなり溶けた後」など一言あるだけで、後日の自分が状況を想像できます。

二回目に印象が変わったときは、前の記録を訂正せず、新しい日付で追加します。一回目は甘い香りが中心、二回目は木の印象が中心でも、条件が違えば不思議ではありません。ボトルの変化か、自分や提供条件の変化かを簡単には切り分けられないため、原因まで断定しない書き方が適しています。

点数を付けたい場合は、まず「また選びたい」「別の飲み方で確認したい」「今の好みとは違う」という三段階でも十分です。百点満点を使うなら、自分の好みの点数なのか、何らかの評価基準なのかを決めておきます。高い価格だから点数を上げる、といった混同を避けやすくなります。

記録を次の一本につなげる

数件たまったら、銘柄名よりも「気に入った理由」を並べて読みます。軽い果実感が好き、木の苦さが強いと気になる、加水後の香りが好みなど、繰り返し出る言葉を探します。それを店員やバーテンダーに伝えれば、「初心者向けをください」より具体的な相談ができます。

おすすめは、好みの理由を二つ、避けたい印象を一つに絞ることです。「果実っぽくて軽いものが好き、強い煙はまだ慣れていない」のように言えれば十分です。新しい製品を探さなくても、手元のボトルの飲み方を見直すために記録を使えます。

テイスティングノートのよくある質問

専門用語を知らなくても書けますか?

書けます。麦茶、焼いたパン、果物の皮など、自分が知っている言葉で十分です。何かに例えられなければ、軽い、強い、甘い感じという表現を残しましょう。

毎回ストレートで飲まないと比較できませんか?

普段の飲み方を記録して構いません。ハイボールなら割り方や氷の状態を分かる範囲で残します。比較のために苦手な飲み方を続ける必要はありません。

一回の記録に何分かければよいですか?

決まった時間はありません。最初は香り、味わい、余韻を一行ずつ書くだけにすると続けやすくなります。飲酒量を増やすための課題にせず、記録できたところで終えましょう。

参考にした公式資料

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